2005年に癌による甲状腺の亜全摘手術を受けてから約3年間、私は大手ハウスメーカーや地元工務店のモデルハウス見学や新築内覧会の訪問を続けながら土地探しに精を出していた。

鹿児島トータルハウジング


 その間、建築に関する本も沢山読んだ。


 今、考えてみるとこの2年間に、私はじっくり家づくりの勉強ができた訳であるから、正に怪我の功名であった。


 数多く読んだ本の中で最も影響を受けたのが、南 雄三さんの書いた「スラスラわかる断熱・気密のすべて」という本だった。


 この本で初めて、結露の仕組みを知り、気密性・断熱性の重要性を知った。



 そして、私の家づくりのコンセプトが固まった。

 それは、限られた予算の中で可能な限り気密・断熱性能にこだわった家づくりを目指すということ。


 まずは、高気密・高断熱の家づくりができるハウスメーカー、工務店の選定から始まった。


 今でこそ、どこのハウスメーカーで建築しても、そこそこの断熱性能と気密性は期待できるようになってきた。


 鹿児島でも希望さえすれば気密性の指標であるC値の測定を行う工務店が増えてきている。


 しかし、当時は気密性能に特化しC値競争に明け暮れる工務店グループがある一方で、大手のハウスメーカーは敢えてC値を公表することもなく、その重要性を強く訴えることもないというのが実情であった。


 そんな中、私が完成見学会の訪問を重ねる中で気に入ったのが、トータルハウジングであった。


 トータルハウジングの建築工法は2×4(ツーバイフォー)工法である。


 2×4工法は、地震や火災にも強く気密性に優れた工法だという知識はあったので、工法としても魅力的であったし、それにも増してトータルハウジングの魅力はそのスタイリッシュなデザインであった。


 トータルハウジングの完成見学会へ行く度に、思いは募り、私の心の中では、施工業者はトータルハウジングでほぼ決まっていた。


 丁度その頃、私は金融機関へ融資相談に行って、残念な知らせを聞くこととなった。


 確かに、団信の審査申し込みに記載する手術歴は過去3年間についてだけであるが、その後、薬を飲んでいれば、それがホルモン剤とは言え投薬治療に当たり、申告義務があるというのだ。


 それに、私の場合、3年前に癌の手術歴を申告したためにそれが信用保証機関にはデータで残っているだろうから、団信の保証が付くことはないだろうと言われた。


 これは流石に家づくりを目指すものにとっては、大きな痛手となる。


 団信の保証なしで金融機関からいかに住宅ローンを引き出すか。


 それが私の大きな課題となった。




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